高校受験を控えた中学生にとって受験期の生活習慣は勉強の成果を左右する大切なことです。勉強だけに集中すればよいというものではなく、生活全般を見直すことが受験成功への鍵と言えるでしょう。そこで、本番で最高のパフォーマンスを発揮できるような、受験生の理想的な生活についてお伝えします。
受験生にとっての理想的な生活リズムとは？
受験生にとって規則正しい生活は非常に大切です。毎日の生活習慣が勉強の効率や集中力に大きく影響を与えます。そこでまず、起床・就寝の習慣や1日のスケジュールをどのように組み立てるかを押さえておきましょう。
規則正しい起床と就寝の習慣をつける
受験生にとって勉強時間を確保するのは大切ですが、夜遅くまで勉強するよりも、実は朝に勉強する方が効率がよいことをご存じでしょうか。朝は頭がクリアな状態で、集中力や記憶力が最も高まる時間帯です。特に暗記科目や問題演習などを朝に取り組むと、その後の記憶定着がより効果的になります。また、夜の勉強に比べて疲れが少なく、短時間で質の高い学習ができるというのもメリットです。
このように、早起きを習慣づけることで自然に朝の勉強時間を確保しやすくなり、生活全体のリズムも整いやすくなります。受験生にとって、この生活全体のリズムは非常に重要です。睡眠が乱れると集中力が低下し、勉強の効率が悪くなります。特に試験前など、良い結果を出すには十分な睡眠を確保することが不可欠と言えるでしょう。
ところが、日々の生活の中で自然に規則正しいリズムを作ることは意外と難しいものです。受験生の多くは夜遅くまで勉強し、朝はギリギリまで寝てしまうというパターンを繰り返しているのではないでしょうか。このような生活は逆に勉強の効率を落としてしまいます。そこで、生活リズムを整えるための有効な方法として「早起き早寝」をおすすめしましょう。
ふつうなら「早寝早起き」ですが、実際はいきなり早寝しようと思っても、なかなか寝付けないものですよね。人間の体は自然にその日のリズムに合わせて働くため、いきなり早く寝ることは誰にとっても難しいものです。
逆に、先に早く起きることができれば、その夜は自然と早く眠くなります。一度早寝が実現できれば、早起きも造作なくできるようになるはずです。まずは1日だけ頑張って、いつもより1～2時間早く起きてみてください。初日はつらいかもしれませんが、朝の早起きをきっかけに体内時計をリセットすることで就寝時間を無理なく前倒しできるのです。
起床後の行動が大切
早起きを習慣にするためには起床後の行動を一定にすることもポイントです。朝の時間を充実させるため、簡単なストレッチや朝食を摂るなら体が目覚めやすくなります。スマホやパソコンをすぐに見ると頭がぼんやりしたままで動きづらくなるため、起きた直後はできるだけデジタルデバイスからは距離を置くよう心がけましょう。
実際は、スマホやパソコンが発するブルーライトが目を覚ます助けになります。特に朝にブルーライトを浴びることで、体内時計がリセットされ、眠気が覚めやすくなるという研究もあるほどです。とはいえ、スマホやパソコンを開いたら、ついついSNSやLINEをチェックしたくなる人は多いのではないでしょうか。そんなことに時間を取られたり、気が散ったりしては1日のスタートでつまずいてしまうリスクが高いです。
要は、デバイスそのものが悪いわけではなく、デバイスの使い方が問題になることが多いということですね。もしブルーライトを活用して目を覚ますのであれば、天気予報など生活リズムを崩さない情報だけをチェックするとよいでしょう。
1日のスケジュールの組み方
受験期の生活では、勉強時間だけでなく1日全体の過ごし方を考えることが大切です。時間を有効に使うためには事前に計画を立てておく必要があります。朝起きたら、その日1日で達成したいことをリストアップし、具体的な勉強の進行状況や、休憩の時間も含めてスケジュールを立てましょう。
1日のスケジュールを作る際には勉強時間と同様に休憩時間や運動の時間も考慮します。たとえば、午前中は勉強に集中し、午後には軽い運動やリラックスできる時間を設けることで頭をリフレッシュさせ、夕方以降、ふたたび勉強に集中できる環境を作ります。夜にはその日学んだ内容を振り返り、明日の計画を立てるなど学習サイクルの整理も大切ですね。
また、勉強の合間に短い休憩を挟むことも集中力を維持するために効果的です。ずっと座りっぱなしでは、どうしても疲れが溜まり、勉強効率が落ちてしまいます。短い休憩を取り、軽く体を動かすことで体と頭をリフレッシュさせながら、1日を計画的に過ごすことができるでしょう。
受験生にとっての食事と健康
受験勉強が続くなかで、ついつい食生活が乱れたり、体のケアを怠ってしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、健康管理は勉強の効率を最大化するために欠かせない要素です。特に受験期は、脳の働きをサポートするための食事や心身の疲れを解消するための運動を重視してください。
脳を活性化させる食べ物
食事は脳の働きに大きな影響を与えます。特に受験生にとっては、集中力や記憶力を最大限に発揮するために食事内容を見直すことが大切です。
朝食は脳にエネルギーを供給するための重要な役割を果たします。朝食を抜いてしまうと血糖値が下がり、集中力や思考力が低下してしまうため、栄養バランスの良い朝食を心がけましょう。
集中力を高める栄養素としては、青魚に含まれるDHAやEPA、ナッツ類に豊富なビタミンE、アボカドやバナナなどに含まれるカリウムが挙げられます。脳を活性化させ、記憶力や思考力を高める効果が期待できるのでおすすめです。
糖分の摂取には気をつけましょう。チョコレートなどの甘いものは一時的にエネルギーを供給しますが、過剰に摂取すると血糖値が急激に上下し、逆に疲れやすくなってしまいます。
また、食事のタイミングも大切です。長時間の空腹は脳のパフォーマンスに悪影響を及ぼすため、お腹が空いたときには適度に間食を摂りましょう。ナッツやヨーグルトなど健康的で腹持ちの良い食品を選び、脳に十分なエネルギーを補給してください。
ストレス解消には運動
長時間机に向かっていると心身ともに疲労が溜まり、集中力が落ちてしまいます。そこでおすすめなのが適度な運動やリラクゼーションです。受験生にとっては短時間でできるストレッチや軽い運動がよいでしょう。たとえば、椅子に座ったままできるストレッチや、10分ほどの軽いウォーキングを行うだけでも筋肉の緊張がほぐれて血行が促進され、脳に酸素が供給されます。
また、運動はストレスを軽減し、気持ちのリフレッシュにもなります。毎日短時間でもいいので体を動かす習慣を取り入れるとよいでしょう。
さらに、深呼吸や瞑想などのリラクゼーションもおすすめです。心を落ち着けて、集中力を高めることができます。
受験生にとってのメンタルケア
受験期は学業のプレッシャーに加え、将来への不安や期待が重なり、精神的な負担が大きくなる時期です。この時期には、単に勉強に集中するだけではなく心の健康を保つことも同様に重要ではないでしょうか。過度なストレスは集中力やモチベーションを奪い、体調にも悪影響を及ぼします。ストレスと上手に向き合うことが大切です。
ストレス解消のための趣味を見つける
受験勉強ばかりに集中しすぎると、心に余裕がなくなり、ストレスが蓄積されやすくなります。趣味や好きな活動を取り入れることは心身のリフレッシュに効果的です。勉強とは違う楽しみを感じられ、気分転換ができるだけでなく、新しいエネルギーを得て次の勉強にも積極的に取り組めるようになるでしょう。
趣味の選び方としてはあまり時間を取らずに楽しめるものがおすすめです。音楽を聴く、絵を描く、読書をするなどのクリエイティブな趣味は、短い時間でもリフレッシュ効果が高く、気分を切り替えるのに役立ちます。また、散歩やジョギングなどの軽い運動を趣味に取り入れることで、体を動かすと同時に心もリフレッシュできますね。
受験勉強の合間に少しでも時間を作り、自分なりの楽しみを持つことがメンタルヘルスに大きな効果をもたらします。
ストレスを溜め込まないようにするには
受験期はどうしてもストレスが溜まりやすい時期です。勉強や将来のことを考えると不安になることもあるでしょう。しかし、ストレスを溜め込むと集中力が低下したり、やる気がなくなったりしてしまいます。そんなときこそ身近な人に頼ることが大切です。
家族や友達と話すことで気持ちが楽になることはよくあります。たとえば、ちょっとした悩みでも誰かに話すと不思議と心が軽くなるものです。悩みを共有することで自分だけが不安を感じているわけではないと感じ、心に余裕が出てくるでしょう。また、友達との他愛ない会話や、家族と一緒に食事をするだけでも気持ちがリフレッシュされることもあります。
勉強に行き詰まったときは学校や塾の先生に相談するのも効果的です。先生は自分が知らない受験のコツや勉強のポイントを知っています。それに、先生に話をすることで自分の勉強の進捗がどうなのかを客観的に見ることができ、次に何をすればよいのかがはっきりするというメリットもありますね。
受験生にとって大切なのは、ストレスを感じたときに「自分一人で解決しよう」と思わないことです。ときには誰かと話して心の中をすっきりさせて、心機一転勉強に取り組みましょう。
まとめ
受験生にとって勉強の成果を最大限に引き出すためには、日々の生活全体を見直し、バランスの取れた生活習慣を作り上げることが大切です。規則正しい生活、健康管理、適度な運動や休息などを意識することで、受験本番でのベストなパフォーマンスが期待できます。今回紹介したポイントを参考に毎日の生活を整えて、万全の体制で試験に臨みましょう。